俺が問うと、たまもはじっとりとした視線をこちらへ向け、テストで難問に遭遇した学生のような顔をする。
「それはそれで腑に落ちぬのよ。さっき言った通りその呪い、構造的にはかなり複雑で高度な部類の代物じゃ。そんなものを扱う輩がそんな馬鹿では余計辻褄が合わんと思わぬか?」
「なら、一つ目妖怪(アイツ)はやっぱり凄い妖怪で、俺の霊据えてこの呪いを選んだって事なんじゃ……」
 そんな消去法で結論じみた俺の意見もたまもは「それは無いと」断じるように否定する。
「お主の霊力値の高さを容易に見抜ける程の者ならば、先ずこの手の呪いは使わぬからじゃ」
 ありゃと思い、俺は小首を傾げた。
「意味が解りませんよ。霊力高い奴程ダメージデカくなる呪いでしょ。俺なら真っ先に選択(セレクト)しますよ」
「阿呆じゃなお主は……」
 たまもは呆れるようにそう漏らすと、
「よいか、霊力が高ければ高い程、その道(・・・)に精通していると考えるのが普通じゃろうが。であるならば、当然こんな相手の霊力次第なんて欠陥品では容易に打開されてしまうと考えるのが妥当なのじゃ」
 たまもの説明に少々納得のいかない俺。阿呆呼ばわりされて少しムッとしたのもあり、少し意地悪く言い返す。
「たまもさんにも解除不可能な呪いなんですよね? 容易に打開っておかしくありません?」
「やはりお主は阿呆じゃな!」
 たまもはギロリと俺を睨みながら、僅かに声を震わせそう言った。
 俺は自らふっかけておきながら、思わず身を反らして後悔する。
「妾が無理じゃと申したのは、第三者として、という意味じゃ! 仮に今回呪いを受けたのが妾自身であったのなら、その場で即刻打破しておるわ!!」
「……えっと、それはどうやって?」
 怒りに火が付いたたまものプレッシャーに圧倒されながら恐る恐る訊ねる俺に、彼女は立ち上がってテーブル越しに詰め寄り言う。